「コンゴ・ジャーニー 上・下」
書店で見かけて、ちょっと面白そうなので読んでみた。
なかなかのボリュームで、上下巻を読み終わるまでに1ヶ月近くかかった。
これはイギリス人の旅行記作家がアフリカのコンゴの奥地へ行った時の旅行記である。
旅行の目的は、テレ湖という湖にいるというモケレ・ムベンベという怪獣(?)を見つけること。
といえばなんとなく川口浩探検隊の雰囲気だが、大勢のスタッフと共に多くの予算をかけるというのではなく、自己資金(このために全財産を持ってきたらしい)で、相棒(アメリカ人学者:途中で帰国)と現地の案内人(コンゴの役人:モケレ・ムベンベを目撃したことがあるらしい)と荷物持ち2人(案内人の親戚の若者)だけのパーティだ。
現地でいきなりマラリアにかかったりするのは序章で、常に感染症に怯え、部族間のトラブルに巻き込まれ、狂人扱いされ、実際に死を目の当たりにしたり、それでも旅の終盤になるともっと旅を続けたいとか言い出したりと、とんでもない旅行記になっている。
そんな中で、アフリカ人の物の考え方、ピグミーの立場、野生動物達の姿、等のアフリカの現状を生々しく紹介している。
しかし文章に堅苦しいところはなく、奥地へ進むにつれ徐々に現実と妄想の境界線が曖昧になってくる様子をうまく表現している。
また案内人・荷物持ち等の登場人物のキャラクターも強烈で、本当にノンフィクションなのかと疑う。
さらに最後のゴリラの赤ん坊を預けられるくだりでは思わず目頭が熱くなる。
評価 ★★★★☆ 星 4つ
旅行記とかを読むとその場所に行ってみたいと思うものだが、今回は俺は遠慮しとく。
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